『ビギニング・ビギニング』正しい後書き

5/12コミティア128でリリースした漫画『ビギニング・ビギニング』の後書きに重大な欠陥がありました。正しい差し替え版をpixivでも公開しましたが、読みにくそうなので、ブログでも公開します。本編を読んでない人は読まないでください。

 

『ビギニング・ビギニング』後書き

◎タイトルについて

『ビギニング・ビギニング』つまり「始まり始まり」ということなんですが、こういう表現は英語では無いらしく、でも語感が気に入ってタイトルにしました。おとぎ話のような雰囲気の漫画にしたいという思いでした。なってないと思いますが。

 

◎内容について

「100ページ越えの雰囲気漫画が描きたい」というのが発端でしたが、最終的には100ページ超えませんでしたし、雰囲気漫画にもなりませんでした。

シンプルな物語だと思います。「平和な町」がある人物の登場によって「良くないもの」に変わっていくという筋書きです。ただ「平和な町」は「平和」ではあるものの、どこか歪な感じがします。主人公はその町での妹との平穏な暮らしが気に入っています。そして仮面の男、彼は歪にデザインされた町(世界)とそこで平穏に暮らす人々を面白く思っていないようです。彼は町民に本によって「正しい知識」を与え、町の平和を乱します。虚構の中の平和と仮面の男の志向する世界、どちらが良いのでしょう。一応私のスタンスを発表しておくと「その二者択一ってどうなの?」といった感じでしょうか。ですが物語はそのようには進みませんでした。

主人公の妹〈作為〉は賢い子供として描きました。彼女の知的欲求は図書館によって加速します。物語の終盤〈作為〉は「進化」について口にします(もちろんこれは自然選択説における進化のことで、舞台である「歪にデザインされた町」と対になっている感じです)。主人公は自分たちの平穏な暮らしを守るため仮面の男を殺しましたが、〈作為〉はもう姉が守りたい世界では満足しないでしょう。

 

◎〈作為〉という名前について

主人公の妹の名前は最初期には〈無為〉でした。それを友人に披露したところ「ありがち」と言われてしまったので〈作為〉になりました(ありがちか……?)。この名前は物語を進める上で私の中でいつの間にかキーワードになっていました。友人には感謝したいと思います。

 

◎挨拶

読んでいただきありがとうございました。私はまだまだもっと優れた漫画が描けると思いますので、今後も付き合っていただけたらと思います。